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サステナビリティ・ウィーク2011 行事詳細

環境・エネルギーシンポジウム-震災復興、自然エネルギー、北海道の力-   

行事予定

開催期間 2011年11月3日(木)13:00受付開始 13:30開会 (終了しました)
主催者 大学院公共政策学連携研究部、北大低炭素社会づくりプロジェクトチーム
共催 環境省北海道地方環境事務所
会場 北海道大学学術交流会館 講堂
  • 言語:日本語
  • 対象:専門家、一般市民、大学生・院生、高校生

行事概要 lowcarbon 

福島原発事故や各地の原発稼働停止等による電力不足の中で、自然エネルギーの開発・利用と中長期的な見通しが切実に必要とされています。豊かな自然に恵まれた北海道は、全国に先駆けて次世代型自然エネルギーのあり方を示すことができるはずです。本シンポジウムでは、自然エネルギー政策に携わる行政担当者、研究者、実務家による講演、パネルディスカッションを通じて、日本の自然エネルギー政策と北海道の潜在力を市民と共に考えます

基調講演

京都大学 大学院経済学研究科 植田和弘教授

国の政策

  • 環境省地球環境局地球温暖化対策課 和田篤也調整官
  • 資源エネルギー庁再生可能エネルギー推進室 安田將人室長補佐

北海道における自然エネルギーの取り組み

  • 太陽光     浜中町農業協同組合石橋榮紀代表理事組合長
  • 風力      日本製鋼所室蘭製作所赤羽博夫副所長
  • バイオマス ホクレン農業総合研究所 松田從三顧問

講演者によるパネルディスカッション

コーディネーター 吉田文和教授

事前申し込み 必要 ウェブサイト、E-mail・FAX・電話にて受付。(定員に達しましたので受付は終了しました。)
参加費 無料
問い合わせ先 環境省北海道地方環境事務所 環境対策課(担当:細貝 拓也)

TEL:011-299-1952、 FAX:011-736-1234、E-mail:reo-hokkaido@env.go.jp

実施報告

平成23年11月3日、北海道大学「持続可能な低炭素社会づくり」プロジェクトチーム(公共政策大学院・地球環境科学研究院)と環境省北海道地方環境事務所の共催により、「環境・エネルギーシンポジウム~震災復興、自然エネルギー、北海道の力」が学術交流会館にて開催されました。
現在我が国では、2011年3月に発生した東日本大震災に端を発する原子力発電利用率の低下、電力需給の逼迫等を受け、これまでの原子力発電偏重のエネルギー・環境政策から大きな転換を迫られています。そこで注目されるのが再生可能エネルギーです。今回のシンポジウムでは、この再生可能エネルギーの普及拡大に関わる課題を検討するとともに、再生可能エネルギーのポテンシャルが大きいとされる北海道地域において、実際にどのような取り組みが行われているのかの報告が行われました。

第1部の基調講演では、京都大学経済学研究科の植田和弘教授より、「震災後日本の地域エネルギーマネジメント」として、エネルギー・コンセプトの根本からの作り直しの必要性が主張され、具体的には、これまでのような電源選択のみの議論から脱却し、各地域がエネルギーとの関連で社会をどのようにつくりたいかを考える必要があるとともに、各地域のエネルギー需給の特徴を生かし、それに適した開発やシステムの設計が望まれるとのお話でした。
我が国では再生可能エネルギーの導入拡大を補助する目的で、2011年8月に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度法(FIT)」が成立し、来年の7月までに制度詳細が決定される見通しです。そこで次に、再生可能エネルギーに対する国の政策についてご説明を頂きました。まず環境省地球環境局地球温暖化対策課の和田篤也調整官から「再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて」のご報告がありました。環境省は平成21年度に再生可能エネルギーのポテンシャル調査を実施し、全国の再生可能エネルギー電源別の賦存量や導入ポテンシャルを明らかにしていますが、今回の報告ではさらに事業性の観点を盛り込み、FITの導入や技術革新の想定の下でのシナリオ別導入可能量等を示した平成22年度の調査結果をご報告頂きました。また、資源エネルギー庁再生可能エネルギー推進室安田將人補佐からは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度について」ご説明を頂きました。

第2部では、北海道の再生可能エネルギーの取り組みについて、3氏からご報告を頂きました。まず、浜中町農業協同組合の石橋榮紀代表理事組合長より、「太陽光発電導入の取り組みについて」として、昨年度設置されたメガソーラの導入経緯を含めたお話を頂きました。これは、エネルギーを含めた街づくりにおいて、農協がどのような役割を果たせるかについて先駆的事例の紹介であり、非常に貴重なご講演でした。
次に、日本製鋼室蘭製作所の赤羽博夫副所長から「風力発電の現状と日本製鋼所の取り組み」をご紹介頂きました。日本製鋼はエネルギー関連の部品製造に関わり、2006年から自社製の風車製造に取り組まれています。風力発電は部品数が多いことから、関連する裾野産業の育成や雇用効果も大きいとされます。しかし風力発電の拡大の課題には、FITの買取価格や買取期間の設定(具体的には、補助金なしで20年間20円~24円の買取価格の設定が必要であると提案されました)の重要性や、系統運用の強化が不可欠であることが示されました。
最後に、ホクレン農業総合研究所の松田從三顧問から「北海道における家畜ふん尿バイオガスプラントの現状と課題」をご報告頂きました。バイオガスプラントは廃棄物処理とエネルギー生産が同時に可能であり、特に北海道地域においてそのポテンシャルが大きいとされます。しかし現状大きく普及していない原因として、維持管理費を賄うだけの売電収入がないことが挙げられ、今後のFITの買取価格設定に対してご提案を頂きました。

引き続き行われたパネルディスカッションと質疑応答では、再生可能エネルギーへの投資を促すためにFITの制度設計に関して意見が交わされたことはもちろん、FIT以外の政策との連携(具体的には再生可能エネルギーの導入目標の設定や連係線の強化、送電網整備のコスト負担問題)の重要性も確認されました。
今回のシンポジウムは、震災を経て、エネルギーの需給関係やエネルギーシステム、エネルギーに対する考え方が大きく転換する可能性を感じさせるものでした。地域それぞれがエネルギーを含めた地域社会の在り方を自立的に考え、地域と企業と行政がどのようにそれを実現する社会システムを構築するか、その議論が会場で共有できた点で、今回のシンポジウムは非常に有意義なものでした。

満員の会場(学術交流会館)パネルディスカッションの様子