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サステナビリティ・ウィーク2010 行事詳細

シンポジウム「グリーンな福祉国家は可能か~社会保障・環境・経済の新しい連携~」   

行事予定

開催期間 11月1日(月) 14:00~ (終了しました)
主催者 北海道大学大学院法学研究科附属 高等法政教育研究センター
共催 文部科学省科学研究費基盤研究(A) 「日本型福祉・雇用レジームの転換をめぐる集団政治分析」 (研究代表者 宮本太郎)
文部科学省科学研究費基盤研究(S) 「市民社会民主主義の理念と政策に関する総合的考察」 (研究代表者 山口二郎)
会場 北海道大学学術交流会館 小講堂
  • 言語:日本語
  • 対象:専門家、一般市民、大学生

行事概要

自然環境、社会保障、経済社会がバランス良く成り立つ解決策として、グリーンな福祉国家の可能性を考えるシンポジウムを開催します。

今日、従来排他的な関係にあった、自然環境(環境政策)、世代再生産(社会保障政策)、経済社会(経済財政政策)の3領域の持続可能性の連携が注目されています。定常型社会の視点から福祉政策を論じてきた千葉大学の広井良典教授の基調講演と、本学の山口二郎教授などによるパネルディスカッションに是非お越しください。

事前申し込み 不要
参加費 無料
問い合わせ先 北海道大学大学院法学研究科 附属高等法政教育研究センター
TEL: 011-706-4005    E-mail: jcenter[at]juris.hokudai.ac.jp

実施報告

社会保障・環境・経済はこれまで対立的なものであり独立したものとして考えられてきました。しかし,近年では社会保障・環境・経済の連携や相互関係が注目を集めています。

このシンポジウムでは,社会保障・環境・経済の連携からもたらされるグリーンな福祉国家について,この領域において常に研究を牽引している千葉大学の広井良典教授に基調講演をいただきました。

基調講演では,社会保障・環境・経済の連携にはナショナル,グローバル,ローカルのそれぞれのレベルでの連携が必要であり,ナショナル・レベルでは,社会保障を高齢者関係給付から家族や子ども関連給付へと転換する「人生前半の社会保障」の必要性や失業や自殺に対する心理社会的ケアへの社会保障の必要性,「フロー」(所得)から「ストック」(貯蓄,土地,資産など)への分配の転換,社会保障財源としての環境税を導入することによる環境政策と社会保障政策の統合が重要な課題として提示されました。

グローバル・レベルでは,高齢化の地球的進行のなかで,人口や資源消費も均衡化するようなある定常点に向かいつつあり,こうした定常型社会をいかにして可能にしていくかが重要であることが指摘されました。

ローカル・レベルでは,地域コミュニティを活かしたGDPだけでは測れない豊かさの実現が重要であり,そのためには社会保障政策とまちづくり・都市政策とを総合的に考える必要があるとされました。

基調講演の結論としては,これらのそれぞれのレベルでの社会保障・環境・経済の連携によって相乗効果を生み出し,「生産性」を労働生産性に限定せずに再定義していくことによってGDP増加に限らない成果を汲み取っていくことが重要であり,こうした動きから「創造的福祉社会/創造的定常経済システム」が生まれる可能性が指摘されました。

シンポジウムの後半では,現在の政治状況や社会状況のなかで,いかにして連携や相乗効果を産み出していくのかという問題を中心に,法学研究科の山口二郎教授,宮本太郎教授を交えてパネルディスカッションが行なわれました。シンポジウムに参加された多くの方から今後の展望や方策について質問が出され,活発な議論が行われました。

講演を熱心に聞く参加者

講演を熱心に聞く参加者

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子